THE World University Rankings の見える化
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(何故か日曜日にやる気になり)THE(Times Higher Education)世界大学ランキングの見える化、2020年分をアップデートしました。 THE世界大学ランキング見える化2012~2020
https://gyazo.com/8e00dba3835df7783de42fbd333cb731
2012年からの経年比較を出来るようにしています。ただQSもそうですが、途中から年表記が「翌年」になったので、全体をまとめるのが大変だったのと、「201-250」といったくくりが年によって違うので、そのあたりの表記に難があります。 あと、そもそも指標自体の見直しがたまにあるので、単純に経年比較できないところもあることに注意。 『ランクインした大学数(トータル)』を見ると、2015年までは400位までの掲載だったのが、2016年に800位に増えて、その後年々拡張し、2020年は1,396位(1,396校)まで増えています。頑なに1,000位までのランクにこだわるQS社との違いを感じます。
THEによれば、全世界には高等教育機関が約23,000あるので、1400位にランクインすれば、上位約6%に入っていることになります。(400位だと上位約1.7%) よくいろんなところで、「ランクインした大学数は、日本は米国に次いで2番目だ」という声を聞きますが、『ランクインした大学数』のVizで見ると、200位内に入っているのは2校、500位内だと13校。つまりランクインしている大学数は多いけど、ほとんどが500位以下のレンジにいる。 『日中韓豪比較』の箱ひげ図を見ると、いろいろ見えてきます。 たとえば「国際化」の指標をみると、留学大国のオーストラリアが突出して高い。そして日本や中国より、韓国のほうが「国際化」のスコアが高いな、と見えます。(全般的に、韓国の大学は、ランキングにかなり力を入れているようにも思います) 「教育」の指標が、日本は諸外国と比べて低いように見えます。ちなみにTHE世界大学ランキングの「教育」指標の内訳は、「評判調査」、「教員数:全学生数比率」、「博士課程学生数:学士課程学生数比率」、「博士号取得者数:教員数比率」、「大学総収入:教員数」となっています。「教育」と「研究」の2指標で散布図を描いてみると、決定係数は「0.81」となり極めて相関が高く、「教育」といいつつも「研究」の要素の比重が高いと思われます。
THE2020散布図
https://gyazo.com/5453bc53e852fd19245d50a74284567f
大学院の学位を重視するか/重視しないか、という社会文化の違いが影響しているのかなとも思いますね。(それをくみ取ってか、THE世界大学ランキング日本版の、「教育」指標はかなり違う内訳となっている) hr.icon
THE World University RankingsのWebサイトには指標の他に、学生数(FTE Students)、ST比率(students per staff)、外国人学生比率、女子学生比率といったデータも公開されているので、それらも整形・加工して可視化をしてみた。 THE World University Rankings 2020 指標以外のデータの見える化
https://gyazo.com/157a956c2424f156e85f883fb7e281f9
ST比率(students per staff)を見たところ、トルコにあるアナドル大学(Anadolu University)が、わけわからない数字になっているので、学生数を見たところ、83万人という意味不明な数字。政令指定都市の人口並の学生数ってなんだよ、と思ったら、遠隔教育学生の数らしい。なお、昨年(2019)のデータを見たところ、1,413,003人となっていて、その数字の違いの次元がよく分からない・・・
ST比率を見ると、医学部がある日本の大学の数字が圧倒的に低い。これだけ諸外国と差があると、カウント方法になにか違いがあるのか?と思ってしまう。
ちなみにこのグラフを「Japan」で絞り込むと、設置形態(国公立と私立)毎の違いが分かります。
外国人学生比率を国毎に見てみると、さすがに英国と、留学大国のオーストラリアの数字が高い。
女子学生比率は、欧州に比べるとアジアの国々は低め。
あくまでもTHE World University Rankingsにランクインした学校のみが対象ですが、マクロな国際比較ができるVizに仕上がったかなと。
とまぁ、いろいろ書き始めると長くなるのと、もっと掘り下げられますがオープンに出来ない内容もあるので、今回はここまで。
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